株式会社とうこう・あい
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出版社の近刊予約に関するアンケートを実施
ー9割の出版社がFAXを利用しつつも、注文受付はオンラインへの移行実態が明確にー

書店・小売向けのオンライン書籍受発注サービス「BookCellar」を運用する株式会社とうこう・あい(本社:東京都中央区、社長:鐘ヶ江弘章)は、この度、BookCellarを利用する出版社を含めた取引先出版社にアンケートを実施し、「書籍の近刊予約」に関する状況を調査。その結果を、詳しくご紹介します。

【調査概要】

期間:2023年9月5日~2023年9月25日
対象:とうこう・あい取引先出版社
方法:インターネットアンケート
有効回答数:121
※本集計データを引用する場合は、出所元として「株式会社とうこう・あい『BookCellar』調べ」と明記をお願いします。

【調査結果:近刊予約に関する実態】

  • 約85%の出版社が近刊予約は重要と回答。
  • 注文獲得ツールとして依然FAXの活用割合は高く、全体の9割以上の出版社が利用。
  • FAX以外の注文ツールとして、オンライン、書店訪問、メール、電話が利用されており、オンラインが書店営業よりも利用割合が高くなっている。
  • オンラインサービスが利用されているほか、自社のHP、メール、SNSのDMなど、書店が情報を受け取ってFAX以外で注文を行える場が増えている。
  • 近刊予約の注文開始時期は、「発売日の1ヶ月前」から、注文〆切は「発売日まで受付可能」が最も多い。
  • 予約方法による出荷時の取扱いには、差がないという回答が8割を超えた。
  • 書店からの事前注文数が調整(増減)されるケースがあると回答した出版社が2割あった。想定されるケースとしては「事前注文数が初版部数を超える場合」、「注文の重複」、「取引履歴のない書店からの大量注文」。

発売前の営業活動による予約注文が重視されている

全回答中、「近刊予約は重要」と回答した出版社は84.3%と高い。

 

注文獲得ツールとして、依然FAXの活用割合は高く、全体の9割以上の出版社が利用

近刊予約で最も利用されている方法はFAXで、回答者の91.7%にのぼった。逆にFAXのみと回答したのは4件、3.3%と少なく、複数の方法を併用して予約を受け付けていることがわかる。

複数ツールの併用により、書店にとってはFAX以外で注文を行える環境が整備されつつある

最も多く利用されている組み合わせは、「FAX+書店営業(訪問)+オンラインサービス」で34件(28.0%)で、「FAXのみ」との回答は、4件(3%)となった。オンラインサービスのほか、自社のHP、メール、SNSのDMなどの回答があり、書店が情報を受け取ってFAX以外で注文を行える場が増えている。

近刊予約の注文開始時期は、「発売日の1ヶ月前」

近刊予約の注文開始時期について、「発売日の1ヶ月前」という回答が最も多く、続いて「2ヶ月前」が多い結果となった。1ヶ月~2ヶ月前を合計すると、105件、86.7%を占めた。

注文〆切は「発売日まで受付可能」

取次配本を行う場合、新刊見本出しのタイミングに予約数を提示することなどから、2週間前を中心に〆切設定しているケースが多かった。BookCellar利用社においては、配本を利用せず、注文出荷制を取り入れている出版社が多いことから、「発売日まで受付可能」という回答が43.8%を占めた。

いずれの予約方法でも出荷時の扱いは同じ

回答者の83.5%がどの注文方法でも、出荷時の扱い(搬入日が異なる・出荷数の調整がある等)に違いはないと回答。これは、先の回答からもわかるとおり、注文受付方法が多様化していることで、FAXを利用しつつも、注文受付はFAX偏重ではないことが伺える。

書店からの事前注文数が調整(増減)されるケースは、受注数が初回制作部数を上回る場合と重複注文

注文手段に依らず、書店からの事前注文数が調整(増減)されることがありますか?

注文手段に依らず書店からの事前受注数の調整は、「ある」が24社・19.8%、「ない」が82社・67.8%と回答。全体の約2割で事前受注数の調整が発生している。

事前注文数が調整されるケースとして最多の回答は「受注数が初回制作部数を上回る場合」、「重複や、大量注文があった場合」で2つを合計すると、31件で、回答全体の77.5%となった。

まとめ

本調査を通じて、近刊予約の重要性が高いこと、また予約受付の方法は、FAX以外にも複数あり、オンラインでの受付比率が高くなっていることが伺えた。回答者コメントからは、近刊予約に関して課題があること、特にFAXは重要な手段でありながらも、重複注文が発生する等手間も多いことがわかった。

予約方法が多様化しており、書店への情報提供を含めて、各出版社が設定する予約期日に対して、予約方法に依らず、注文数が把握できる仕組みの構築が必要とされている。BookCellarでは、現場の声を集め、書店への情報提供・予約注文に関する連携がよりスムーズに便利になるよう、受発注システムBookCellarに反映してまいります。

■BookCellarについて

「BookCellar(ブックセラー)」は2020年10月にサービスを開始しました。当初は100社程度の出版社が利用していましたが、現在は約1200の出版社に発注が可能になりました。また、書店登録数も堅調に増加しており、約4,800店となっています。仕入に利用するユーザーには、カフェや雑貨店など、従来の書店以外の業態からの登録も増えてきています。

BookCellarは、出版社と書店の間の業務プロセスのデジタル化によって、スピーディかつ効率的な流通を実現することで、出版物の流通環境を改善することを目指しています。

BookCellarサービスサイト https://www.bookcellar.jp/
公式X(旧Twitter)アカウント  https://twitter.com/BookCellar_TA
公式note https://note.com/bookcellar

■株式会社とうこう・あいについて

 とうこう・あいは1948年に出版広告代理店として創業しました。プロモーション手法や対象業界を広げるとともに、出版社向けCMSサービスであるHONDANA(https://www.hondana.jp/service/)など出版に特化したシステム開発も行っています。