クジラが見る夢
著者 池澤夏樹
発行 新潮社
素潜りで水深105メートルに到達したジャック・マイヨール。
本書は、クジラと泳ぐためにカリブの海に出る彼を、
小説家池澤夏樹が寝食を共にした「幸福な日々」の記録である。
彼の思想や人生観は常に海を感じさせるものだ。
あらゆる価値観や宗教を凌駕する、すべてを包み込む海。
彼にとっては喜びも悲しみも、等価値の出来事になる。
期待せず落胆しない。誰もがジャック・マイヨールという人物に魅せられていく。
大きなクジラがさらに偉大な海で泳ぐ時、感じていることは、いったい何なのだろうか。
ジャックは「哲学的な瞑想」だと断言する。敵が居ず食べることに困らない。
金の必要も無く、何かに急ぐ必要も無い。発達した無駄のない身体を持ち、
脳はとても大きい。そのような彼らが考えていることは、それ以外にはないだろう。
クジラに近づくために、まずはクジラにジャックの存在を認めてもらうために、彼は海に潜っていく。

担当A・J
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