生きて死ぬ智慧
著者 柳沢 桂子
発行 小学館
本屋を散歩していると時々奇妙な本と出くわす事がある。
手にとってパラパラとめくり、なんだこれ! と乱暴に元の平積みへと放り投げる。
そして本屋を出て気がつくと、その本を購入しているのである。
私の“衝動買い”の本領発揮の瞬間である。
「摩訛般若波羅蜜多心経」御存じ“般若心経”。
本書は、般若心経を分かり易く訳した書である。
著者・柳沢桂子氏は生命科学者であり、幾多も賞を授賞された佳人でもある。
しかし、若い頃より“原因不明の難病”に侵され36年間地獄を体験し、
尊厳死までも決行しようとした人でもある。
しなやかで静謐な文章は観音菩薩そのもの。
無論私は無神論者である。が、読んでいると46億年のボレロが聴こえて来る。
「だいせんじがけだらなよさ」と大家の文章を茶化したのは寺山修司。
茶化したかどうかは今や知る術もないが。
私も“死生観”を考える年齢となり、
「さよならだけが人生だ」じゃない人生だって有る!
このまま“酔生夢死”でくたばるか、はたして“落日は燃ゆる”のか!
人生、もう最後のハロン棒を過ぎた辺り、もう後もなければ、先きも無いか?
この刹那の人生。最後の勝負に賭ける事が出来るか。もはや神のみぞ知る。
厭世地獄に陥っているやから共! 必読。
なおDVD付きだが、見ない方が良いかも。
「それじゃ何か」と突っ込みを入れたくなる部分あり。
それは、ほれ「禅問答」と思えば、何せ“無常”を説いているのだから。
凡人には不快極まる良書ではある。

担当F・H
この本にご興味を持たれたら、
ぜひ、小学館さんの紹介ページをご覧になってみて下さい。