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2006年11月 アーカイブ

2006年11月06日

[社員のおすすめする本] 生きて死ぬ智慧

生きて死ぬ智慧


著者 柳沢 桂子
発行 小学館


本屋を散歩していると時々奇妙な本と出くわす事がある。
手にとってパラパラとめくり、なんだこれ! と乱暴に元の平積みへと放り投げる。
そして本屋を出て気がつくと、その本を購入しているのである。
私の“衝動買い”の本領発揮の瞬間である。

「摩訛般若波羅蜜多心経」御存じ“般若心経”。
本書は、般若心経を分かり易く訳した書である。

著者・柳沢桂子氏は生命科学者であり、幾多も賞を授賞された佳人でもある。
しかし、若い頃より“原因不明の難病”に侵され36年間地獄を体験し、
尊厳死までも決行しようとした人でもある。

しなやかで静謐な文章は観音菩薩そのもの。
無論私は無神論者である。が、読んでいると46億年のボレロが聴こえて来る。
「だいせんじがけだらなよさ」と大家の文章を茶化したのは寺山修司。
茶化したかどうかは今や知る術もないが。

私も“死生観”を考える年齢となり、
「さよならだけが人生だ」じゃない人生だって有る!
このまま“酔生夢死”でくたばるか、はたして“落日は燃ゆる”のか!
人生、もう最後のハロン棒を過ぎた辺り、もう後もなければ、先きも無いか?
この刹那の人生。最後の勝負に賭ける事が出来るか。もはや神のみぞ知る。
厭世地獄に陥っているやから共! 必読。

なおDVD付きだが、見ない方が良いかも。
「それじゃ何か」と突っ込みを入れたくなる部分あり。
それは、ほれ「禅問答」と思えば、何せ“無常”を説いているのだから。
凡人には不快極まる良書ではある。


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担当F・H


この本にご興味を持たれたら、
ぜひ、小学館さんの紹介ページをご覧になってみて下さい。

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2006年11月13日

[社員のおすすめする本] 自転車で痩せた人

自転車で痩せた人


著者 高千 穂遙
発行 NHK出版・生活人新書


著者はSF作家でアニメの原作者としても、その筋(どの筋?)で著名な方。
一昔前はエンジン付きのバイクに凝っていたようですが、
50歳を期に自転車乗りになっていました。

私は若干年下ですが、自転車に乗る前の著者よりも
生活習慣病予備群としての数値は遥かに高く、
10年来続けてきたスポーツジム通いも息切れし
(人が多くて、気難しくなった中年にはストレスが溜まるし…)、
メタボリック真っ只中の状況下で、出会ったのが本書でした。

書名を見た時に、そうだ自転車があったと、
高校時代のブリヂストン・ロードマン乗りの血が、ザワッと騒いだのでした。

そういう訳で、8月に本書を読み、9月の連休にネットでクロスバイクを購入し
「多摩サイ」デビュー。その後も次々と自転車用品を買い込み
(ネットショップから続々届く宅急便による家庭不和を乗り越え)、
進化したスポーツバイクの走り易さと、自転車の楽しさを実感(体力の衰えも…)、
のぼせ上がって片道30キロ余りの自転車通勤の野望まで
公言する有り様となってしまいました(自分の近況を伝えてどーする)。

趣味の「自転車」を始めるHOW TO本としてユーザーサイドで実践的に役立ち
(著者が調布在住で、私の家からも程近い多摩サイクリングロード周辺の
 記述が多かった点も大変参考になりました)、
また、道路交通法の中で?的に扱われ、現実の一般道では厄介者扱いされる、
自転車の置かれている立場にも多角的に触れていて、
啓蒙的な臭みなく問題を認識させてくれます。

 「痩せる」については副次的な産物で、著者と同様のスケジュールで走る事は、
仕事着が背広のサラリーマンには難しいでしょう
(日常の自転車通勤も、往復60kmを超えると非現実的…)。
でも実際の自転車はジムのサイクルマシン(何処にも行けない)とは
比較にならない楽しい乗り物である事が、本書を読みながら実感出来れば、
明日はあなたもサイクリスト……。

道交法の加害者にも被害者にもならない様に注意しながら、
末長く自転車と付き合って行きたいものだと、
本書を再読しながらしみじみ想う中年の身体は、
晩秋の夜のライディングの名残で火照ったままであった……。

先日放送終了した、趣味悠々「中高年のための楽しいサイクリング生活入門」も
藤岡弘、さん他の出演者の方々(著者もゲストで出演)が良い味を出していて、
楽しくモチベーションを高めてくれました。見損なった回もあり、
無精で録画し損なった事が悔やまれます。


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担当K・M


この本にご興味を持たれたら、
ぜひ、NHK出版さんの紹介ページをご覧になってみて下さい。

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2006年11月21日

[社員のおすすめする本] ひとかげ

ひとかげ


著者 よしもとばなな
発行 幻冬舎


14年前に書かれた『とかげ』の、著者本人によるリメイク版。
挿絵を使った幻冬舎さんの印象的な広告を見て、数年前、
ばななワールドにはまり、読み漁っていた頃(もちろん『とかげ』も読破)を
思い出した私、さっそく書店に駆け込みました。

リメイク版ということで、読み始めは小説が映画化された時の“知っているような、
知らないような”違和感を覚えましたが、読み進めると、なるほど、
ばななワールドは一層磨きがかかって健在していることに気づきます。

ばななさんの思い入れが強い作品だからなのか、あれ、この加筆は
余分だったんじゃないかな?と感じる部分も確かにありましたが、
特有の美しい表現によって補われた本作は、『とかげ』よりわかりやすく、
滑らかに仕上がっています。

新しく加わったエピソードにより、あらためて納得させられることもありました。
なにより主人公ととかげの二人が以前より人間的に描かれたことで、
作品全体が深みを増しています。

この作品を新刊『ひとかげ』として読む方はどう感じるのでしょうか。
私のように『とかげ』のリメイク版として読む方はどうでしょう。
どちらが好きかは人それぞれ違うと思いますが、
二つの作品を読んでみて強く感じる、若さ、歳をとるといったこと。
実はこれがこの本のキーワードなのでは。

『ひとかげ』と『とかげ』、二つの作品が収録されているので、
比較して読んでみてはいかがでしょう。

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担当O・A


この本にご興味を持たれたら、
ぜひ、幻冬舎さんの紹介ページをご覧になってみて下さい。

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